生まれた時からこれまでの生い立ちのDVD
典型的な干物女だった私は一生独身だと思っていましたが、三十路を目前に出会いがありとんとん拍子に結婚が決まりました。結婚を大喜びしてくれたお互いの両親のため、結婚式は盛大にしたいと思いました。
結婚式の準備は大変とよく聞くので覚悟をしていたつもりでしたが、式の2か月程前くらいから徐々に慌ただしくなってきます。食事に引出物はもちろん、テーブルに飾る花やナフキンの色や折り方まで全て私たちで決めます。
一番悩んだのは、披露宴の最後に渡す両親へのプレゼントです。パンフレットには色々載っていますが、とにかく両親に喜んでもらえるものを渡したかったのです。考えた結果はありきたりですが、自分の母には「産んでくれてありがとう」の気持ちを込めて生まれた時の体重のクマのぬいぐるみを、自分の父には胸元に一輪の花を、相手の父には「これからよろしくお願いします」の気持ちを込めて大きい花束を渡しました。
私は大きく生まれたので、渡したときに母は「こんなに重かったんだね」と言っていましたが、今でも透明の袋に入れて大切に保管してくれています。
ただ、結果的に一番好評だったのは、私たちが手作りをした生まれた時からこれまでの生い立ちのDVDです。後日データを両家に渡しましたが、何度も見ては懐かしさに涙しているようです。
結婚式は自分たちのためではありますが、両親へのありがとうの儀式のような気がします。数年経った今、思い返してもやってよかったと心から思います。