結婚式の手紙・あいさつ 〜その2〜
話し方・書き方のポイント
基本はありがとうの気持ち
手紙の内容に決まりはないけど、「花嫁の手紙」=「両親への感謝の手紙」。今までの感謝の思いが感じられる文面にしよう。3分程度の長さに押さえて
個人に向けたものを、ゲストもいる中で読むという状況を考え長さを決めて。ゆっくり読んで3分ほどあれば十分だと把握して。ポイントを絞って簡潔に
何を書きたいのかを絞ることが大切。詰め込みすぎると逆に伝わりづらい。起承転結に注意し、すっきりした文章が心に響く。具体的なエピソードを入れて
小さい頃の思い出や出来事、教わったこと等具体的なエピソードを盛り込もう。聞く側も感情移入しやすく、感謝が深く伝わる。
基本文例
お父さん、お母さん、今まで本当にお世話になりました。働きもののお父さん、しっかり者のお母さんの娘に生まれて、今日まで本当にしあわせでした。
↑①書き出し↑
ふたりと過ごしてきたこれまでの人生を振り返ると、たくさんの思い出が浮かび上がってきます。中でも印象に残っているのは、私が中学生の時、お父さんとお母さん、妹の○○(妹の名前)の家族全員で出かけた温泉旅行。
泊まった旅館の部屋からの眺めがきれいだったこと、夕食に出された日本料理がとてもおいしかったことを、今でもはっきりと覚えています。
お父さんは仕事が忙しく、家でゆっくりすることも少なかったので、なおさら家族全員でのんびり過ごせることがうれしくて、その夜はなかなか寝付けませんでした。
お父さん、仕事が忙しいのに旅行に連れて行ってくれてありがとう。社会に出た今だからこそ、仕事の大変さや厳しさが良くわかります。二年後に定年退職を迎えたら、ゆっくり休んでくださいね。
「家族で出かけたい」という私たちのリクエストを、お父さんにそっと伝えてくれたのは、お母さんでしたね。忙しいお父さんをサポートしながら、私達姉妹のわがままをたくさん聞いてくれたお母さん。お母さんが何でも受け止めてくれたからこそ、きっと安心してわがままを言えたのでしょうね。
↑②エピソード・自分の想い・感謝の気持ち↑
夫婦の役割をしっかり分担して、二人三脚で私達を育ててくれたお父さんとお母さんは、私の理想の夫婦です。ふたりのような関係を目指して、これからは○○さん(新郎の名前)と一緒に、力を合わせてがんばっていきます。
まだ未熟な私達ですが、これからもよろしくお願いします。最後になりましたが、お父さん、お母さん、体に気をつけていつまでも元気でいてください。今まで育ててくれてありがとうございました。
↑③今後の抱負・まとめ↑
ケースに合わせた文例
おめでた婚について触れた内容
(両親へ感謝の言葉を述べた後)
こんな私ですが、もうすぐ母親になります。結婚報告と同時に妊娠を報告した時の、ふたりの驚いた顔が今も目に焼きついています。
「お腹が大きくなる前に式を挙げたら」と言ってくれたお父さん。叱られるとばかり思っていた私は、思いがけない言葉に涙があふれました。そしてずっと味方でいてくれたお母さん。私の話をいつも聞いて理解し、励ましてくれましたね。何でもできるお母さんは私の理想です。これからは○○さんと、生まれてくる赤ちゃんのために、ふたりをお手本に一生懸命がんばっていきます。
おめでた婚の報告を通じて、両親に感謝を述べた文例。自身で報告しづらければ、新郎に謝辞の際伝えてもらってもOK。
新郎の親へのメッセージを入れる
(自身の両親や家族へのメッセージの後)
○○さんのお父さん、お母さん。○○さんと出会い、今日を迎えられたこと、ご両親にも心から感謝しています。教わることも多く、まだまだ至らない部分もありますが、これからは○○さんの妻として、また娘として○○家の一員として、精一杯がんばります。これからもよろしくお願いします。
新郎の両親に向けて気持ちを綴った文例。メインの自身の両親へのメッセージ後、最後のまとめの前に短めに添えても◎。
POINT
- 両親への感謝→
- エピソードをふまえた感謝→
- 新生活への決意・抱負等
どんなエピソードを選んだの?
先輩花嫁の書いた感動レター
母方の祖母への手紙
子どもの頃、田舎の祖母宅に預けられた思い出を綴りました。 田園風景の中、満天の星空の下で祖母に背負われながら子守歌を唄ってもらったことを今でも覚えています。
三つ子の魂百までといいますが、その歌声は子守歌と共に、今でも私の心に残り、大人になっても時々思い出します。私はおばあちゃんが大好きで、帰る時は寂しくいつも車の中で泣いていました。
初孫でとてもたくさん愛情をもらえたことに感謝し、「ずっと元気で長生きしてほしい」と言う願いを伝えました。(珠美さん)
結婚式後、その模様を録画したDVDを祖母に見せました。子守歌を唄った時のことを思い出してくれていたみたいで、涙ぐんでいました。
たった一度の家族旅行
休みもなく毎日働いていた両親の姿を手紙に書きました。私がしっかりしないと!と幼いながらも感じ、食事等手伝っていたあの頃。お母さんが帰る時間やお父さんの休日がうれしく、家族がそろう時間が何より温かい時間だったことを覚えています。
そんな中、家族4人で行った四国への一泊旅行。家族旅行はこれがたった1回…。でも本当に嬉しくて幸せで忘れられない思い出でした。(中略) 私達のために一生懸命に働き学校へ行かせてもらい、今も元気に過ごせているのはお父さんお母さんのおかげです。
決して裕福ではなかったけど、だからこそ大切な事を学べました。ふたりの姿が私のお手本です、と感謝を綴りました。(まちこさん)
手紙を読んだ後、今まで泣き顔を見せたことがない父親が、泣きじゃくるくらいに号泣していました。父の背中が初めて小さく見えました。手紙で想いが伝えられて良かったと感じました。
話し方・書き方のポイント
原稿を読まない
原稿を読んでしまうと棒読みになったり文を飛ばす等、気持ちが入りにくい。なるべく覚えて、ゲストの目を見てあいさつしよう。照れ笑いはNG
ミスした時や緊張感からついつい笑ってしまいがち。だけどヘラヘラした印象になり締めの挨拶が台無しに。照れずに堂々と心をこめて話そう。新婦も合わせてお辞儀を
つい忘れがちになってしまうけど、新郎がお礼とともにお辞儀をしたときは、新婦も合わせてお辞儀をするように心がけよう。2〜3分程度に収めて
話すことが多すぎて長くなり、まとまりが無いあいさつは聞くゲストもしびれをきらしてしまう。内容はもちろん話し方にもメリハリを。
基本文例
皆様、本日は大変お忙しい中、私達の結婚式・披露宴にお越しいただき誠にありがとうございました。皆様、本日は大変お忙しい中、私達の結婚式・披露宴にお越しいただき誠にありがとうございました。
↑①書き出し↑
冒頭、主賓のあいさつをしていただいた○○社長(主賓の名前)、乾杯の発声をしていただいた○○様(乾杯の音頭をとった人の名前)。快く引き受けてくださいまして、ありがとうございました。社長をはじめ、会社の皆様、繁忙期にもかかわらずお越しいただき本当にありがとうございました。
そして、□□(妻の名前)の職場の皆様も、日頃から□□に良くしていただきありがとうございます。宴中スピーチや余興で盛り上げてくれた大学の同期、会社の同僚のみんな、楽しい余興を本当にありがとう。私の友人達と□□の友人の皆さん、この披露宴の準備にあたり、たくさんアドバイスをくれたことをとても感謝しております。
悩んだ時や辛い時期も、心を許せる友人達の支え無くしては乗り越えられませんでした。さらには私の親戚の皆様、また□□の親戚の皆様、遠方からお越しの方も多々いらっしゃったことと思いますが足を運んでくださり、長時間に渡りお付き合いいただきましたこと、心より感謝いたします。
そして父さん母さん、□□のお父さんお母さん。なかなか面と向かって言うのは照れますが、今日という日を迎えられたのも、今まで私達を大事に育ててくれたおかげです。いつまでも体には気をつけて元気に過ごしてください。これからは新たな家族として末永くよろしくお願いします。私達にはあらゆるゆかりの皆様があり、それぞれの歴史があって今ここに立っているのだなあ、一人で生きてきたのではないのだなあと、改めて実感しております。
↑②エピソード・自分の想い・感謝の気持ち↑
私達が出会ってから6年、今日から夫婦として新しい家庭を築いていきます。力を合わせてどんな困難も乗り越え、幸せを分けあえる夫婦になります。なにぶん新米夫婦のためご心配をおかけすることも多いかと思います。
そんな時は遠慮なく、厳しくご指導していただくと同時にご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願い致します。まさに今日のこの披露宴のような、楽しい中にもメリハリの効いた、そんな温かい家庭にしていきます。
何事にもつたない私達ですが、変わらぬお付き合いのほどお願い致します。本日は、誠にありがとうございました!
↑③今後の抱負・まとめ↑
ケースに合わせた文例
ふたりの”なれそめ”を加える
私と○○は友人として知り合い、音楽という共通の趣味を通じて意気投合し、今日を迎えるに至りました。昔から明るく活発な彼女となら、この先辛い時も前向きに、楽しく人生を過ごしていけると感じます。
おめでた婚の報告、親への決意
私達にはもうすぐ、もう一人の家族が誕生します。まだまだ至らない私達ですが、私達を大切に育ててくれた両親や家族のように、たくさんの愛情を注いでいきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
今後の生活・新居へのお誘い
一週間前に新居に引越しました。○○駅から少し離れた○川沿いの静かな住宅街です。私も、妻の○○もにぎやかなことが大好きです。皆様ぜひ新居へ遊びにいらしてください。心よりお待ちしております。
POINT
- 感謝の気持ち→
- 今後の決意や目標等→
- 締めの言葉
文例パターン
新婦もひと言添えた内容
新郎:(来てくれたことへの感謝・お世話になった人への感謝を述べたあと)
ここで新婦□□(新婦の名前)から皆様にひと言ごあいさつしたい、ということなので、マイクを渡したいと思います。(マイクを新婦に渡す)
新婦:皆様、本日はお越しいただきありがとうございます。新郎の○○(新郎の名前)もお話したように、皆様の温かいお言葉、本当に感謝しております。
今日、皆様が私達に向けていただいた笑顔は決して忘れません。そしてその笑顔を後悔させないためにも○○(新郎の名前)といつまでも幸せに暮らしていきたいと思います。本日はありがとうございました。
新婦へマイクを渡す際に、優しく一言「はい」と両手で渡そう。さり気ない仲良しアピールができる。新婦からマイクが戻ってきたら大きく間を空けてから結びに入ろう。ちょっとした気遣いでひと際良いものに!
アドリブを加えた内容
(来てくれたことへの感謝を述べたあと)
まずは入場から、温かく大きな拍手で迎え入れていただいたことを感謝いたします。そして主賓の○○さん。快く主賓を引き受けていただいただけでなく、素晴らしいスピーチをありがとうございました。(「■■」の言葉は本当に私の胸に残りました)そして、乾杯の音頭をとっていただいた○○さん(音頭をとる人の名前)。とても盛り上がりました!ありがとうございます。(「■■」という言葉が心にズシンときました。僕もいつか使いたいです。)
友人スピーチをしてくれた○○君、○○さん(友人の名前)。何を話されるのかドキドキしましたが、ちゃんと空気を読んでくれて助かりました。(「■資格」なことまで覚えていてくれて本当に嬉しかったです)ありがとう!
難しく思わずだいたいの文章を考えておき、当日のエピソードや、その場の素直な気持ちを伝えるパターン。それぞれの人に対し取り上げる言葉を披露宴の間に考えておけば、アドリブ謝辞もカタチになる。
手紙やスピーチを読んだ後、両親が涙し、喜んでくれた…と、「やって良かった」と思うカップルが大半。他の訪れたゲストの心の温度も上げる。照れずに、素直な気持ちをこめよう!