天国の父に送る感謝の気持ち
当たり前に進行へ組み込まれている新婦から両親へ贈るお手紙。そして、記念品贈呈。新婦の両親に、『今まで育ててくれてありがとう』の感謝の気持ちを手紙にして記念品と共に渡します。
こちらの新婦さんも、感謝のお手紙と共にお花を両親に渡すつもりでした。しかし、直接受け取ってもらうはずが、悲しくもその願いは叶いませんでした。
新郎新婦共に、楽しみにしていた披露宴。もちろん両家の両親も心から楽しみにしていました。しかし、新婦のお父さんが50代という若さで癌となり、式直前で他界し、天国からのお祝いとなってしまったのです。
お父さんは生前、一刻も早く娘のウェディングドレス姿を見て、一緒にバージンロードを歩きたいというご希望でした。
新郎新婦も、もちろんお父さんも式に出てもらい、晴れ姿を見てもらいたい気持ちでいっぱいでした。
挙式日を決めてからは、お父さんに『この日に式挙げるから、それまで頑張って長生きしてね！一緒にバージンロードを歩くのを楽しみにしてるから！』と何回も病院へ行って話をしたそうです。
進行や演出等を決めるために、何度も打ち合わせをするのですが、『両親も一緒に楽しんでもらいたいから、ケーキ入刀後に両親へ食べさせるサンクスバイトする！？とか、中座の時エスコートしてもらう？その時はあの曲にしようかな？！』と当日を思い描きながら、楽しそうに話をするお二人に、両親への感謝の気持ちをサプライズ演出にする提案もさせて頂きました。
そして進行の終盤、クライマックスの新婦から両親へ送る手紙と一緒に贈る記念品は、プリザーブドフラワーに決まりました。
生花と違って水やりもしなくていいのでお世話もしやすく、長く楽しめるのが特徴です。『枯れない』と言う気持ちも込めて・・
しかし挙式日が近づくにつれ、頑張って治療をしていたお父さんですが、癌の進行も進み、挙式日間近で亡くなられました。
挙式当日、遺影のお父さんと共にお母さんが立礼に並びました。
新婦からの感謝のお手紙…亡くなって天国へいってしまったお父さんとの思い出の話がとても胸に突き刺さり、会場内、ゲストの皆さんもスタッフでさえも涙が止まりませんでした。そして渡されたプリザーブドフラワー…『枯れない』という気持ちはそのままに、お母さんにも『いつまでも元気でいてほしい』という願いも込めて、感謝のお手紙も添えて渡されました。直前に亡くなられ、参列する事が出来ませんでしたが、天国からお二人の門出を心から祝ってくれていたと思います。
