家庭菜園が趣味の両親へ送るトマトの種
両親へ送るトマトの種
老後に始めたい趣味で人気の家庭菜園やガーデニング。子育てもひと段落した頃、太陽の下ですくすくと育っていくのを鑑賞する喜びはひとしおなのでしょう。特に野菜の家庭菜園は、収穫して食べる喜びもありますから、男女問わず人気です。そこに作物への思い入れがあれば、なお一層愛着がわきますね。
今回ご紹介するのは、定年退職後に家庭菜園を始めたご両親へのかわいらしい、そして真心が込められたプレゼントです。仕事一筋で、趣味といえばお酒ぐらいだったご新婦様のお父様。ガーデニングがご趣味のお母様のすすめもあり、畑を借りて菜園をはじめることに。いまではお父様のほうが夢中で、週に1度は肥料や種・苗などを見にホームセンターに通うほどなのだとか。
そんなご両親を迎えた結婚式の終盤です。急に照明が落とされ、ご新婦様の誕生から幼少期、そして今日までの成長の歩みが描かれたムービーが、オルゴールのBGMと共にフロア中央に流れていきます。ここまでであれば、よくある感動的な演出でしたが、ムービーも終わり照明も再び照らし出されたとき、ご新婦様が手紙を読み始めます。
「お父さん、お母さん。いままで私を育ててくれてありがとう。感謝の気持ちをどうやって表そうか考えて…このようなプレゼントになりました。私が小さいころ食べられなかった、トマトの種です。今では好き嫌いがない大人になるまで成長できました。
私はもうお父さんとお母さんの一緒に住むことはなくなってしまうけれど、この種を育てて、実を付けるようになったら小学生になってもトマトが食べられなくて、代わりに食べていたな、と娘のことを思い出してくれたら嬉しいです。そしてまた種ができるころ、私達夫婦の間に新しい家族ができていたら嬉しいです。このプレゼントには、そんな想いが込められています。」
ご本人も、ご両親も…とくにお父様が大号泣の、感動のお手紙となりました。
ご自身の幼少期の思い出と、これから産まれるであろう新しい命。トマトの種には、そんなお嬢様の想いが込められています。お金をかけなくとも、このように様々な思いが込められた素晴らしいプレゼントができるのですね。