生まれ年のワインで感謝の気持ちを込めて

生まれ年のワインで
感謝の気持ちを込めて

今回ご紹介するカップルは、打ち合わせの時に、両親への記念品をとても悩まれていました。お花を渡すのも素敵だけど、私たちらしくてこれまでの感謝の気持ちもこもっているものを記念品として渡したいと考えていらっしゃいました。 一人っ子の新婦様はどこに行くにもご両親と一緒でした。年に一度は必ず家族での旅行に行かれたり、週に一回はご両親と買い物に行かれるほど仲の良いご家族でした。

打ち合わせの際に
「私がお嫁に行っちゃったらお父さんと、お母さん、きっとすごく寂しがると思います。」と少し寂しそうな笑顔でご両親のお話しをされていた新婦様。ワインが大好きなご両親とのことでしたので、新婦様を想いながら飲んでもらえるように、新婦様の生まれ年のワインをプレゼントすることを提案させていただきました。
このワインを飲んで頂きながら、新婦様が生まれた時のこと、初めて歩いた時のこと、小学校の入学式、運動会や成人式、初めて家族で行った旅行、お嫁に行く前に行った最後の家族旅行のお話。何気ない日常の思い出をたくさん二人で話しをして、楽しかった思い出を思い出してほしいという思いを込めてこのワインをお渡しすることにしました。

当日は、感謝のお手紙の中でこの気持ちを伝えてお渡しをすることにしました。そのワインと一緒に、10枚だけ写真を添えてお渡しをしました。そこにはいつもの定位置があるリビングのソファや誕生日になると新婦様の身長を記入した床の間の柱の写真。一番最後のページには当日の結婚式で撮影をする家族写真が入れられるようにページを開けてお渡ししました。どれも珍しい思い出の写真ではないものでしたが、家族にだけしかわからない何気ない日常の大切な写真をお渡しされました。

この方のように、実際に「あがり症」だから話すことには抵抗のある方は多いです。涙して読むということを一般的には期待されます。花嫁の涙は最高の演出ということも言えます。でも一生に一度のご披露ですから、花嫁さんに敢えて嫌な思いはしなくてもよいと思います。

結婚式が終わり後日、新婦様のお父様から素敵なお手紙を頂きました。
「娘がお嫁に行ってしまって、うれしい気持ちが半分、とても寂しい気持ちがしていましたが、このワインを飲みながら思い出話しをしていきたいと思います。このワインのおかげで娘が近くにいてくれる気がします。」
新婦様の思いがご両親に届いたのかなと、うれしい気持ちになりました。贈呈をするプレゼントはお金をかけて渡さないと!ではなく思いを渡すものなんだなと改めて感じました。お渡しをするのは、お二人が一番良く知っていて、大切な存在のお父様、お母様ですからね。素敵なプレゼントが見つかるといいですね。

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